大分県教委の教員採用汚職:浅利被告、ゆがんだ親心が暴走
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20080712ddp041040036000c.html
◇子どもに使う400万円は惜しくなかった--黒いうわさ、規範意識失わせる
校長、教頭、県教委ナンバー2……。大分県教育界の要職が逮捕された教員採用汚職事件。長男、長女の合格依頼を巡る贈賄容疑で逮捕、起訴された小学校校長、浅利幾美被告(52)=11日付で懲戒免職=は、周辺に「子どもに悪いことをした」と悔悟の言葉を述べている。どんな手段を使ってでも、わが子に同じ道を歩ませたいという、ゆがんだ親心から出た黒いカネ。逮捕された容疑者たちの言葉からは、汚れた教育界で揺れ動く教育者の良心も垣間見える。【金秀蓮】
浅利被告は、県教委参事、矢野哲郎容疑者(52)=贈賄容疑で再逮捕=と、その妻で小学校教頭、矢野かおる容疑者(50)=同=を通じて県教委参事、江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で再逮捕=に金券100万円と現金300万円を贈った。大金を使ってでも子どもを教師にさせようとしたが、浅利被告は「子どもに使う400万円は惜しくなかった」と関係者に打ち明けているという。
大分県教委や教育関係者の間では、教員採用、昇任の際にカネやコネにまつわるうわさは絶えなかった。浅利被告は80年の採用以来、一貫して佐伯市内の小学校に勤務。小規模校の勤務も長く、「まじめで学校運営に積極的にかかわっていた」(地元教育長)という評判だった。「だが、教員採用を巡るうわさを聞くうちに、規範意識がマヒしていった」と話したという。
一方、長女を合格させようと、元県教委教育審議監の二宮政人容疑者(61)と、江藤容疑者に計200万円の金券を贈り、逮捕された矢野容疑者。動機については「娘を何とかして教員にしたいという親心だった」と関係者に説明したという。
江藤容疑者は県教委義務教育課人事班に入って以降、口利きによる不正の多さについて「もううんざりだ。こんなことやってられない」と、矢野容疑者に愚痴をこぼしていた。だが、昇任を巡って110万円分の金券を受け取っていた。矢野容疑者は「江藤容疑者に悪いことをした」と悔やんでいるという。
「前年に(不正によって)落とした受験生が次の年に合格圏内に入ったら心底うれしかった」。関係者に対し、江藤容疑者は不正に手を染めながらも、良心の呵責(かしゃく)に揺れる心を吐露している。江藤容疑者は過去の改ざんで不合格になった受験者の名前をメモし、その受験者が翌年の試験で合格圏内に入った場合、減点操作の対象から外し、意図的に合格させていたという。
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毎日新聞 2008年7月12日 西部朝刊

